「入札マーケットに参入する“きっかけ”を生み出す」ことを目的に、入札に関する情報を分析・提供する入札リサーチセンターは、入札マーケットの動向に関するレポート2024年7月度を公開します。
公示案件数 と 落札案件数 の推移
公示案件数
2024年7月の公示案件数の総計は199,183件で、前年比123%となりました。
落札案件数
2024年7月の落札案件数の総計は167,775件で、前年比117%となりました。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件数は、入札案件公示がなく落札結果のみ公表されている随意契約等の案件も含めた集計結果
公示案件の入札形式別割合
【 全体 】
入札形式別の公示案件割合は、一般競争入札が31.1%と最も多い結果となりました。
【 入札種別ごとの入札形式割合 】
物品では、見積(オープンカウンター)が47.8%と最も多い結果となりました。
役務では、一般競争入札が52.3%と最も多い結果となりました。
建設・工事では、一般競争入札が63.9%と最も多く、指名競争入札と合わせて競争性のある入札形式が合計90%以上を占めており、公平性と透明性が重視されていることがわかります。
測量・建設コンサルタントでは指名競争入札が53.8%と多く、専門知識と経験が求められる分野であることがわかります。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・入札情報速報サービスNJSSに登録されている入札形式を基に算出。入札種別は、NJSSで設定されている資格カテゴリーを使用。
エリア別 公示案件数
2024年7月のエリア別公示案件数は、エリアによって増加傾向と減少傾向に分かれました。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件履行場所が複数の都道府県に該当する場合は、1案件に複数の都道府県が付与されるため重複あり
各種データは、都道府県別・機関別の集計や年間推移データなど、様々な切り口でのレポート化が可能です。 戦略や分析に欠かせない入札関連データにご興味のある方は こちら をご覧ください。 |
業種カテゴリ別 公示案件数
2024年7月の業種カテゴリ別公示案件数は、多くの業種が増加傾向となりました。
前年比で最も伸びている業種は「金融・保険関連」でした。
<集計条件>
・入札情報速報サービスNJSSにて独自に分類した業種カテゴリ別案件数データを集計(※2024年2月より集計方法を新ロジックに変更)
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・ひとつの案件に複数の業種カテゴリが付与されることがあるため案件数の総計は月の案件数総計と差異が発生
・案件に関連する複数の業種カテゴリが付与されることがあるため、業種で絞り込みを行う際には意図しない業種が含まれている場合あり
※ 業種[大カテゴリ32種]にて集計
詳細な業種[中カテゴリ85種]集計データをご覧になりたい方はお問い合わせよりご連絡ください。
落札金額の推移
2024年7月の落札金額総計は、前年比で148%と大幅に増加しました。
この増加の主な要因として、防衛装備庁の随意契約結果の公表が大きく影響しています。具体的には、2月と3月に行われた随意契約の結果が7月に公表され、その際に大規模な契約金額が登録されたため、落札金額が急増しました。
防衛装備庁の随意契約結果として、2月には合計約5332億円、3月には合計約1兆7329億円の契約が公表されています。このような大規模な契約が7月に反映されたことが、落札金額の急増の主な要因となっています。
(随意契約結果:掲載ページ)契約に係る情報の公表(中央調達分)/防衛装備庁
また、令和5年度予算のポイント(財務省)においても、防衛費がこれまでの水準を大きく上回る予算が確保されていることが明記されています。この大きな予算が、実際の入札案件に反映されていると考えられます。
防衛関係費※については、新たに策定された国家安全保障戦略等に基づき、これまでの水準を大きく上回る6.8兆円(対前年度+1.4兆円)を確保。防衛力整備計画の初年度として、スタンド・オフ防衛能力や統合防空ミサイル防衛能力、施設整備などの重点分野を中心に防衛力を抜本的に強化。
<集計条件>
・落札金額は、各発注機関ごとに公表された落札結果を収集した合計値(同一案件が複数機関で公表されている場合もあり)
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
今月のランキング
入札検索キーワード 急上昇ランキング (2024年7月度)
2024年7月1日~7月31日に「NJSS」内で検索されたキーワードのうち、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードを「入札検索キーワード 急上昇ランキング 」として発表いたします。
入札検索キーワード急上昇ランキングで、第1位は「国勢調査」となりました。
第2位には「ワクチン」、第8位には「コロナ」がランクインしています。
「ワクチン」と「コロナ」に関しては、この秋から高齢者などを対象に行われる新型コロナワクチンの定期接種に関する厚生労働省からの発表が7月にあり、それが入札案件の検索増加につながったと考えられます。
「ワクチン」「コロナ」が案件名に含まれる入札情報の一例です。
<集計条件>
・集計期間:2024年7月1日~7月31日
・対象:集計期間に入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードのうち、上位100位以内のキーワード
・入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードを元に、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードをランキング
入札マーケット 分析データ
『全省庁統一資格』を保有する企業を集計し、入札マーケットへの参入企業の規模を調査しました。
※全省庁統一資格…国の機関(省庁)の「物品・役務」入札参加に必要な入札参加資格
全省庁統一資格保有【全企業数】 : 72,369社(2024年7月度)
全省庁統一資格保有企業のうち、企業規模別の割合は、大企業:10.96%、中小企業:49.91%、小規模企業:34.09%となりました。新規企業数は前月より+1,461社となりました。
<集計条件>
・全省庁統一資格有資格者名簿より集計
・企業規模は、中小企業庁「中小企業者の定義」 による判定
入札関連データについて
入札リサーチセンターでは、入札形式・都道府県・業種・発注機関など、様々な入札に関するデータの抽出・調査・分析ができます。入札に関する情報の調査についてのお問い合わせは、こちら からお願いします。
【データご利用時の注意事項】 入札リサーチセンターにて公表している調査データ・コンテンツ情報を引用される際は、出典元の明記をお願いします。 (例)調査名/入札リサーチセンター調べ (例)コンテンツ名/引用元:入札リサーチセンター ※サイトURL (https://research.njss.info/)も追記ください。 各調査物の著作権は株式会社うるるにあります。許可なく無断での複製・転載・改訂を禁じます。 入札リサーチセンター公表の調査データ・コンテンツをご利用頂いた際には、その掲載(媒体・画面キャプチャ等)についてご連絡をお願いします。 入札に関する調査・協業についてのお問い合わせ、調査物引用のご報告は お問い合わせからお願いします。 |
豊富な案件情報から “自社にあった入札情報” を探してみましょう
NJSSは、全国の官公庁や自治体の
入札情報や落札情報を提供する
国内最大級の入札情報サービスです。
- 全国の入札情報を一括検索
- 最新の入札情報を毎朝メールでお届け
-
過去の落札額・落札会社から
入札動向の分析が可能 -
雑多な案件のタスクを管理し、
機会損失を防ぐ