2011年3月11日に発生した東北大震災は大きな傷跡を残しました。
被災した地域の官公庁や地方自治体でも、今後の復旧のために早急な対応が求められました。
その中で、千葉県が通常の一般競争を適用する基準を引き上げ、指名競争入札の範囲を拡大したというニュースがありました。
官公庁や地方自治体などの発注機関が競争入札を行う場合は、原則として一般競争入札で行う事が会計法や地方自治法で定められています。その一方で、発注機関側で参加する業者を予め選定しておき、その企業間のみで競争を行う「指名競争入札」も一般的に行われてきました。
なぜこのタイミングで指名競争入札の拡大が必要だったのか。
それは何を目的にしていたのか。
それが気になったので指名競争入札について少し詳しく調べてみる事にしました。
指名競争入札とは?
指名競争入札とは、予め競争参加希望者の資格審査とリスト作成を行っておき、個々の案件で競争入札を行う際に、リストの中から指名基準を満たしている企業を多数選定し、参加企業を指名して競争入札を行う方式です。
指名競争入札は、参加する企業を指名し限定する点で一般競争入札と異なります。
また、入札を行うという点で、競争を行わない随意契約と異なります。
指名競争入札のメリットとデメリット
ではこの指名競争入札のメリットとデメリットは何でしょうか。
まずメリットとしては、一般競争入札よりも選定の段階で不適当な企業を排除しやすいことが挙げられます。
他にも、参加企業が特定されることにより、発注機関で手続きの手間を削減する事が可能です。
デメリットとしては、競争参加者が特定の企業に偏ってまう懸念が残ります。
また、それにより企業間での談合の温床になる可能性が指摘されてきました。
指名基準の透明性が確保されなければ、実績のない企業が新たに参入する場合に、公平な参加が阻害される恐れが有ります。
震災の復旧に迅速に対応する為に活用している
千葉県の一般競争入札を適用する基準の引き上げは、道路・河川・学校などの補修工事が対象となります。
それと指名競争入札のメリットをあわせて考えると、今回の基準引き上げは補修工事を迅速に対応する為に採用された可能性が高いと言えるでしょう。
また指名競争入札は、地元の会社への発注という形で経済政策としても活用できる点も見逃せません。
取上げたのは千葉県でしたが、他の震災地域やそもそも存在する地方自治体の地域経済対策でも、指名競争入札が活用される事が予想され、今後もひとつの入札方式として重要な位置を占め続けると考えられるでしょう。
指名されるにはどうしたらいいのか
発注機関が定める指名基準には「等級別発注の原則」があります。
「等級別発注の原則」とは、発注工事には案件ごとに等級があり、その案件で指名される企業は、同等の等級資格を有しなければいけない原則です。
しかし実際には次のような取り扱いがあります。
工事成績が優秀な企業は、2等級上位の工事等級に指名される場合もあるそうです。つまり技術力が評価されれば、通常の範囲以上に参加する機会が増えることを意味します。
このような点を考えると、まず実績を積み上げることも大切ですが、事後評価で高得点を獲得することが重要です。無理な案件で実績を作るよりも、より自社の強みを発揮できる入札案件に取り組み事が大切な事に異論はないでしょう。
そのためにもより広く案件を探す必要があります。
今までベストと考えていた情報収集の方法や運営方法を見直す必要があるでしょう。
その時には是非、入札情報速報サービス(NJSS)のような業務支援サービスをご検討頂ければと思います。
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