建設業界で安定的に案件を獲得するには、営業職の役割が重要です。近年では民間営業に加え、公共工事の入札に取り組む企業も増えており、従来の営業スタイルだけでは成果を出しにくくなっています。
本記事では、建設業における営業職の仕事内容や魅力、入札制度の活用方法を解説します。
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建設業における営業とは?
建設業の営業職は、一般的な営業とは少し異なります。工事を請け負うだけでなく、プロジェクト全体の管理にも関わる責任の大きな仕事です。
ここでは、以下について解説します。
- 建設業ならではの営業の仕事内容
- 建設業における営業の魅力
- 営業がきついと言われる理由
それぞれ参考にしてください。
建設業の営業の仕事内容
建設業の営業職は、自社の建設工事や技術を提案し、案件を受注することが主な役割です。営業先は官公庁から民間企業まで幅広く、既存顧客への営業や新規開拓などを行います。
加えて、下記のように、現場部門と密に連携しながら案件を動かします。
- 工事に必要な資材の手配
- スケジュール管理
- 協力会社との連携
- アフターフォロー
「売る営業」にとどまらず、プロジェクト全体の進行に関わるため、責任も大きい一方でやりがいもあるポジションです。
建設業における営業職の魅力
建設営業の魅力は、スケールの大きな案件に関わり、自分の成果が形となって街に残る点です。受注金額も大きいため、インセンティブが高く、努力次第で高収入も狙えます。
また、顧客との信頼関係を築くことで、継続的な発注や紹介につながるケースも多くあります。そのため、人脈構築や提案力・調整力といったビジネススキルの向上にも役立つでしょう。
さらに、公共工事の入札を通じて地域社会に貢献できる点も魅力です。未経験からのチャレンジも比較的しやすく、成長意欲のある方にはやりがいの大きい職種といえます。
建設業の営業がきついと言われる理由
建設営業は受注金額が大きい分、プレッシャーも重く、きついと言われることがあります。主な要因は、下記のとおりです。
- 売上目標の達成プレッシャー
- 長時間労働
- 週末の顧客対応
また、訪問営業などの対人ストレスや、営業ノウハウの属人化により、効率的な活動が難しい場面もあります。とくに人手不足の中で営業リソースが限られている企業では、営業担当の負担が過度になりがちです。
このような構造的な課題が、働きにくさを感じる要因となっています。
建設業の仕事の取り方と主な営業方法8選
建設業で安定した受注を得るためには、従来の営業だけでなく、複数の手法を組み合わせて柔軟にアプローチすることが大切です。
建設業で実践されている代表的な手法は、下記の8つです。
- 民間企業への営業
- 公共工事の受注(入札)
- 紹介・口コミによる仕事獲得
- ホームページ・SNSを活用した自社集客
- マッチングサービスや求人サイトの活用
- 飛び込み営業・テレアポ
- チラシ・ポスティング・FAXDM
- 協力会社・下請けとしての安定取引
自社に合った戦略を見つけ、受注拡大を目指しましょう。
民間企業への営業
建設業では、民間企業や不動産オーナーへの営業が有力な受注方法のひとつです。なぜなら、継続的な関係構築により、複数案件の受注につながるためです。
たとえば、地権者に対して賃貸マンション建設を提案する際には、利回りや資産運用の観点からの説明力が求められます。信頼関係の構築が成約に直結するため、提案力と専門性が営業成果を左右します。
地道な努力と専門性が問われる営業ですが、大きな実績とやりがいが得られる手法です。
公共工事の受注(入札)
公共工事の入札は、建設業が安定受注を実現するうえで効果的な手段となります。受注できれば支払いが安定し、営業にかかる人的コストが抑えられるためです。
民間営業のような人脈形成よりも、公示される入札情報を正確に収集し、定められた様式に沿った書類を不備なく作成・提出する能力が重要です。
参加には、建設業許可や経営事項審査(経審)の評点など一定の条件を満たす必要があります。クリアできれば、閑散期の仕事確保や、経営の柱として大きな支えとなります。
したがって、入札への対応力を強化することは、営業力だけに頼らない安定受注体制を構築し、長期的な経営安定を図るために最適です。
以下の記事では、公共工事の入札について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:公共工事の入札とは?種類や専門用語、参加するための資格を徹底解説
紹介・口コミによる仕事獲得
紹介や口コミによる受注は、営業コストをかけずに高確度な案件を獲得できる点で魅力的です。信頼関係にもとづいて案件が発生するため、最初から顧客との距離が近いのが理由です。
下記のように誠実な対応を心がければ、顧客満足度を高められるでしょう。
- 丁寧な施工
- 納期遵守
- 完成後のアフターフォロー
また、地域のイベントへの参加や業界内のネットワーク作り、異業種交流会への参加などを通じ、人脈を広げることも紹介ルートの開拓につながります。
ただし、紹介だけに依存すると受注が不安定になるリスクもあるため注意が必要です。安定した紹介を得るためには、日々の誠実な仕事ぶりが重要なため、ほかの営業手法と組み合わせるとよいでしょう。
ホームページ・SNSを活用した自社集客
ホームページやSNSを活用した自社発信は、建設業において元請けを目指す企業には欠かせない集客手段です。近年では、Web検索やSNSから施工会社を探すユーザーが増加しており、インターネット上での情報発信の重要性が高まっています。
ホームページには会社概要や施工実績、お客様の声を掲載し、信頼性を高めましょう。SNSでは、InstagramやYouTubeを使って、施工中の様子や職人の仕事風景を発信することで、親近感や技術力をアピールできます。
SEOや定期更新を行えば、問い合わせや見積依頼にもつながりやすくなり、営業コストをかけずに受注へ結びつけることが可能です。
マッチングサービスや求人サイトの活用
営業に不慣れな企業や個人事業者でも、マッチングサービスや求人サイトを活用すれば効率的に案件を獲得できます。これらのサービスは、仕事を探して応募する形式のため、営業のプレッシャーが少なく、情報収集と書類準備に集中できるのが魅力です。
建設業に特化した求人サイトでは、必要なスキルや保有資格が明記されているため、自社の強みを生かせる案件を見つけやすくなっています。これらのオンラインサービスは、自社での新規開拓営業が苦手な方や、効率的に受注機会を増やしたい事業者におすすめです。
飛び込み営業・テレアポ
飛び込み営業やテレアポは、古典的ながら今でも有効な営業方法のひとつです。顔を合わせた対面営業は、提案の熱意や誠意が伝わりやすく、相手との信頼関係を築くきっかけになります。
現場に直接足を運び、ニーズを的確に聞き出せば、その場で具体的な提案につなげられることもあります。一方、テレアポは短時間で数多くの顧客にアプローチできる点が強みです。
営業リストの精度やトーク内容の工夫を行えば、断られるリスクを減らして成果を出しやすくなります。根気と継続力は必要ですが、経験を積むことで成約率も向上し、営業の自信にもつながります。
チラシ・ポスティング・FAXDM
地域密着の建設業にとって、チラシやポスティング、FAXDMは今も効果的な集客手段です。ターゲットとなる住宅街や企業に直接情報を届けられるため、オンラインに弱い層にもアプローチが可能です。
たとえば、築年数の経過した住宅地にリフォーム案内のチラシを投函すれば、タイミング次第で高い反応が期待できます。
また、FAXDMは、法人や業者向けに施工メニューを伝える手段として活用されており、今も多くの建設関連企業で使われています。印刷物ならではの視認性と信頼感もあり、営業初期でもはじめやすいのがメリットです。
低コストで成果を狙える手段として重宝されています。
協力会社・下請けとしての安定取引
ハウスメーカーやゼネコンとパートナーシップを組み、下請けとして安定的に仕事を受けるのも有効な営業手段です。信頼関係が築ければ、営業活動に頼らずに継続受注が期待できます。
丁寧な施工や納期厳守を重ねて信頼されることで、定期的に案件が紹介されるようになります。また、実績を重ねることで評価が高まり、大規模な工事や元請けとしてのチャンスも広がっていくでしょう。
ただし、発注者側の都合や価格設定に左右されやすく、利益率が不安定になる点には注意が必要です。長期的なビジョンで、信頼と技術力を武器に自社の立ち位置を高めていくことが求められます。
建設業の営業で安定受注を目指すなら、公共工事への入札がおすすめ
公共工事の入札は、営業活動に頼らずに安定的に仕事を確保できる手段です。国や地方自治体が発注する工事に対し、適切な資格と手続きを整えれば、企業規模や過去の実績に関わらず参加のチャンスがあります。
また、入札には複数の方式があり、ルールや仕組みを理解すれば中小企業でも十分に勝負可能です。ここでは、公共工事の入札について解説していきます。
- 公共工事の入札の種類
- 入札に必要な資格・手続き
- 建設会社が入札に参加するメリット
- 入札に挑戦する際の注意点・デメリット
- 地方の中小建設業者にも入札のチャンスがある理由
詳しく見ていきましょう。
公共工事の入札の種類
公共工事の入札の種類は、下記のとおりです。
入札の種類 | 特徴 |
一般競争入札 | ・広く公募され、価格や技術評価で選ばれる方式 ・公告された参加資格要件を満たせば、原則として誰でも参加できる ・一番有利な条件を出した入札者が契約できる |
指名競争入札 | ・発注機関が特定の企業を指名する ・一番有利な条件を出した入札者が契約できる |
随意契約 | ・例外的なケースで用いられる ・発注機関が任意に特定の事業者を選び、直接契約する |
それぞれの方式に特徴があるため、自社の実績や強みに合わせて適切な入札方法を選び、戦略的に参加することが大切です。
以下の記事では、入札方式について詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。
関連記事:【官公庁入札の種類】主な入札方式を簡単解説!メリット・デメリットもご紹介
入札に必要な資格・手続き
公共工事の入札に参加するには、まず建設業許可を取得し、税金に未納がないことが基本の条件です。そのうえで、下記の手続きを踏む必要があります。
手続きの種類 | 詳細 |
経営状況分析 | 指定の分析機関で経営指標を算出し、経審に使用する |
経営事項審査(経審) | 経営状況や技術力などを点数化し、格付けを受ける |
入札参加資格申請 | 希望する自治体や官公庁に対して、入札資格を申請する |
参加する自治体によって申請方法や期限が異なるため、事前に確認しましょう。
建設会社が入札に参加するメリット
公共工事の入札には、建設会社に多くのメリットがあります。
- 営業コストを抑えて受注できる
- 安定した発注が期待できる
- 前払金の支給制度がある
※契約後に工事の一部費用が前払いされるケースがある - 地域企業が優遇されるケースがある
- 実績作りにつながる
参考:
国土交通省|前払金保証事業
国土交通省|建設企業への経営支援等について
これらのメリットを生かすことで、建設会社は業務の負担を抑えながら、着実に業績を積み重ねられます。中小企業にとっては、安定経営と信頼構築の大きな足がかりになるでしょう。
入札に挑戦する際の注意点・デメリット
入札には多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。
- 価格競争が激しくなりやすい傾向がある
- 落札を目指して過度な値引きをすると、利益が圧迫される可能性がある
- 経審や入札参加資格申請など、準備に時間と労力がかかる
- 落札できるとは限らない
- 経験・知識が求められる
最初のうちは実績不足から、落札に至らないこともあります。入札に参加する際は、地道な取り組みで実績と信頼を積み重ねることが大切です。
地方の中小建設業者にも入札のチャンスがある理由
入札は大手企業だけのものではなく、地方の中小建設業者にも十分チャンスがあります。とくに一般競争入札は企業規模に関係なく参加でき、適切な価格設定や施工能力の評価によって公平に選ばれます。
また、ICT化の進展や建設キャリアアップシステムの普及により、中小企業でも入札情報にアクセスしやすくなりました。地域に根差した対応力や信頼性は、官公庁からも高く評価されやすいため、入札制度を活用して安定受注を目指す中小企業が増えています。
中小企業だからこそ持てる強みを生かし、積極的に入札にチャレンジしてみましょう。
公共工事の入札の流れについて、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:公共工事の入札の流れ|中小企業が落札するためのコツを解説
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公共工事の入札にはじめて挑戦する建設会社は、制度や手続きの複雑さに戸惑うことも多いでしょう。そのようなときに、頼りになるのが「入札アカデミー」です。
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建設業における営業手法のひとつとして、公共工事の入札は魅力的な選択肢です。入札制度を理解し、必要な手続きを段階的に進めていけば、企業規模に関係なく安定した受注が実現できます。
地域社会への貢献や実績の蓄積という意味でも、積極的に活用すべき制度です。入札に関する不安や疑問がある場合は、ぜひ「入札アカデミー」の無料相談を活用し、営業力と受注力を高めましょう。
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