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入札トレンドを知る!入札検索キーワード急上昇ランキングTOP30(2025年6月度)

入札トレンドを知る!入札検索キーワード急上昇ランキングTOP30(2025年6月度)

公共調達の分野では、社会情勢や政策、季節要因などにより、注目されるテーマや案件が日々変化しています。こうした動きをいち早く捉えることは、営業戦略や提案内容の精度を高めるうえで重要です。

 

本記事では、2025年6月に検索数が急上昇した入札関連キーワードTOP30を紹介し、特に上位10位については、検索上昇の要因や市場動向とあわせて解説します。入札トレンドの把握を通じて、戦略的な提案や案件対応の精度向上にお役立ていただければ幸いです。

入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年6月度)

🥇1位:子ども(83UP)

「こども未来戦略」の本格運用開始を受けて、各自治体における具体的な施策展開が加速していることが影響していると考えられます。

 

こども家庭庁が公表する「こども未来戦略について」によれば、2023年6月に閣議決定された戦略に基づき、2024年10月には児童手当の大幅な拡充が実施されました。2025年6月時点では、各自治体において制度運用の安定化が進む一方で、次のフェーズとして、より実効性のある子育て支援の具体化や既存施策との連携強化に注力する局面に移行しているようです。

 

例えば、多子世帯や低所得世帯への更なる支援の検討、地域の子育て拠点機能強化、デジタル技術を活用した子育て情報の提供システム改善など、よりきめ細やかなサービス提供を目指した取り組みが進行しています。 これらの施策を具体化するための調査、企画、システム改修、運営委託など、多岐にわたる入札案件が継続的に発生しており、「子ども」関連キーワードの検索数急上昇に繋がったと考えられます。

 

【参考情報】こども未来戦略(こども家庭庁)

「子ども・こども」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

「子ども」「こども」を案件名に含む入札は、年間を通じて安定して公告されていますが、毎年6月にかけて件数が大きく増加する傾向が見られ、新年度予算が本格稼働する時期にピークを迎えています。また、2月も増加傾向にあり、年度末の予算消化に向けた調達が集中する時期であることが背景にあると考えられます。

「子ども・こども」に関する入札案件例

 

🥈2位:指定管理(69UP)

「指定管理」に関連する入札案件は、公共施設の効率的かつ効果的な運営に対する継続的なニーズの高まりを背景に、2025年6月も引き続き活発に動いています。

 

地方自治体における指定管理者制度は、導入から20年以上が経過し、その対象施設は多岐にわたります。総務省の「地方公共団体における指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」によると、令和3年4月1日時点での指定管理者制度導入施設数は全国で77,537施設にのぼり、継続的に増加傾向にあることが示されています。

 

2025年6月という時期は、多くの地方自治体で新たな会計年度が本格的に稼働し、公共施設の新規開館や既存施設の運営見直しに伴う、新たな指定管理者契約の締結や現行契約の再公募に向けた準備が活発化する時期です。老朽化対策、多様化する住民ニーズへの対応、または収益性の向上といった課題に対し、民間事業者の専門的なノウハウや効率的な運営手腕への期待が高まっており、これが「指定管理」関連の入札案件の増加と検索数上昇に繋がっていると考えられます。

 

【参考情報】指定管理者制度について(総務省)

「指定管理」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

「指定管理」案件は、地方自治体の会計年度(4月始まり)と密接に関連しており、年度当初に新たな契約や既存契約の更新・再公募が集中する傾向が強く現れています。

 

一方で、件数全体としては、2024年後半から2025年前半にかけては過去のピーク(2023年7月や2024年5月)に比べて伸び悩んでいるようにも見えます。これは、制度の成熟や一部の大型案件の一巡、あるいは自治体予算の動向などが影響している可能性も考えられます。2025年6月の件数は回復傾向にあるため、今後、下半期に向けてどのように推移するかが注目されます。

 

「指定管理」に関する入札案件例

 

🥉3位:公園(58UP)

「公園」に関する検索数が上昇した背景には、季節的な維持管理ニーズの集中と、公共施設の多機能化に伴う整備需要の高まりがあると考えられます。

 

都市部の公園は、緑地空間としての役割だけでなく、防災拠点、健康増進の場、地域コミュニティの活性化拠点としてその重要性が再認識されています。国土交通省の「都市公園について」によると、都市公園は都市の緑の保全、良好な都市環境の形成、住民の健康増進、災害時の避難地・活動拠点としての役割を担っており、都市の魅力向上にも貢献しています。

 

とりわけ2025年6月度は、梅雨期の気象条件を考慮した既存施設の点検・補修ニーズが高まる時期です。具体的には、大雨による排水設備の確認や、夏場の利用に備えた遊具の安全点検、芝生管理、清掃、害虫対策といった季節特有の維持管理業務が増加します。さらに、防災機能強化やユニバーサルデザイン導入といった中長期的な改修工事の計画・準備も進んでおり、公園関連の入札案件が例年この時期に多く公告される傾向があります。今回の検索数の増加も、こうした集中発注を受けて業務受託を狙う事業者による情報収集の動きが反映されたものと推察されます。

 

「公園」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

「公園」に関する入札案件は、季節的な要因、特に年度初めの予算執行と屋外工事に適した春から初夏にかけて案件が集中する傾向があります。

 

2025年6月時点では4月のピークを越えたものの、依然として2,667件と高い水準を維持しており、これは公園の整備・維持管理に対する継続的な公共投資が行われていることを示唆しています。

「公園」に関する入札案件例

 

4位〜10位の急上昇キーワードを一挙解説

4位:役務

「役務」の検索数が急上昇する背景には、年度初めに予算が固まり、通年で発生する定型的な役務(清掃、警備、保守点検など)や、年間計画に基づく新規案件が、例年、2025年6月頃に集中的に公告される影響があると考えられます。

これにより、官公庁・自治体における外部委託ニーズが特にこの時期に高まる傾向があり、コンサルティング、研修、データ入力、システム運用・保守といった多岐にわたる「役務」関連の入札案件が増加し、検索数急上昇に繋がったと考察されます。

 

5位:端末

「端末」が上位にランクインした背景には、GIGAスクール構想における学習用端末の継続的な更新需要と、行政機関のDX推進に伴う業務端末の整備ニーズが挙げられます。

 

文部科学省の「GIGAスクール構想の実現について」によると、児童生徒1人1台端末と高速ネットワーク環境を整備することで、個別最適化された学びを実現することを目指しており、その整備状況は継続的に更新されています。

これにより、小中学校では導入済み端末の保守・運用業務に加え、老朽化した機器の更新需要が常に存在しています。

 

2025年6月は、特に次年度の予算編成に向けた情報収集が活発化する時期であり、教育現場では夏季休業期間中の端末整備やシステム更新を視野に入れた計画が進められます。これらが「端末」関連の入札案件の増加と検索数上昇に繋がったと考えられます。

 

【参考情報】「GIGAスクール構想の実現へ」(文部科学省)

 

6位:クラウド

「クラウド」の検索数急上昇は、政府・自治体が進めるデジタル・ガバメント推進の中核として、クラウド利用が加速しているためです。デジタル庁の「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」が示す通り、コスト削減に加え、災害対策、柔軟性、新技術導入のため、クラウド活用を強く推進。各省庁・自治体では既存システム移行やデータ連携基盤構築でクラウドが不可欠です。

7位:水道

「水道」が上位にランクインした背景には、老朽化する水道インフラの計画的な更新・耐震化と、夏季の安定的な水供給確保に向けた季節的需要の増加が挙げられます。

 

厚生労働省の「水道事業の現状と課題」によると、水道施設の老朽化が進行しており、更新需要は今後さらに高まる見込みであること、また大規模災害時におけるライフライン確保のため、施設の耐震化が喫緊の課題であることが示されています。

 

2025年6月は、梅雨期から本格的な夏季需要期(水使用量の増加)へと移行する時期にあたります。このため、老朽設備の点検・修繕、管路更新工事、さらには集中豪雨や台風シーズンに備えた排水機能の強化や耐震化工事など、安定供給を支えるためのインフラ整備・維持管理に関する入札案件が活発化します。

 

7位:中小企業

「中小企業」が上位にランクインした背景には、中小企業庁による複数の大規模支援策が2025年6月に集中して発表・公募されたことが影響していると考えられます。

 

具体的には、6月17日に発表された「100億宣言」や「中小企業新事業進出補助金」の公募開始が、新規事業の検討を後押ししたと見られます。加えて、6月下旬に公表された「大規模成長投資補助金」の採択結果や、6月27日から始まった「省力化投資補助事業」の公募など、高額な補助金制度が、中小企業による設備投資やコンサルティング導入への関心を高めました。

 

こうした成長支援や課題解決に直結する政策が実際に動き出したことで、事業者による情報収集が活発になり、政策と連動した入札の機会も増加。「中小企業」に関連するキーワードの検索数が急増した要因と考えられます。

 

【参考情報】

 

9位:防水

「防水」がランクインした要因は、国土交通省の令和7年度予算における防災・減災、老朽化対策への重点投資と、梅雨期の季節要因が複合的に影響していると考えられます。

 

国土交通省の令和7年度予算では、「激甚化・頻発化する風水害・土砂災害や大規模地震・津波に対する防災・減災対策、予防保全に向けた老朽化対策など、地方公共団体等の取組を集中的に支援する」と明記され、官庁施設等の老朽化対策予算も計上されています(国土交通省「令和7年度予算決定概要」より)。これは、政府が公共インフラの機能維持と強靭化を喫緊の課題と捉え、防水工事を含む対策に予算を優先的に配分していることを示します。

 

特に2025年6月は、この年度予算に基づく事業が本格的に執行される時期であり、梅雨時期の長雨による建物への影響が懸念される季節要因も重なります。これにより、公共施設における雨水侵入対策や既存施設の補修ニーズが特に高まり、関連する入札案件の増加と検索数急上昇に繋がったと考察されます。

 

【参考情報】令和7年度予算決定概要 (国土交通省)

 

10位:点検

「点検」が上昇した背景には、社会インフラの老朽化対策と、夏季の利用増加・災害シーズンに備えた予防保全の強化が挙げられます。特に2025年6月は、梅雨から夏季、台風シーズンを控え、施設の安全性確保のための点検ニーズが高まる時期であり、これにより入札案件が増加し、検索数急上昇に繋がったと考察されます。

 

10位:補助金

経済産業省の「補助金・公募情報」が示すように、企業や団体、個人に対する様々な補助金・助成金制度が多数設けられており、事業者の経営支援や特定の政策目標達成のために積極的に展開されています。これらの制度は、デジタル化推進、脱炭素化、人手不足解消のための省力化投資、中小企業の事業再構築など、現在の社会課題解決に直結するものです。

 

2025年6月は、日本の会計年度上半期にあたり、前年度末に策定された予算に基づく新たな補助金制度の公募が本格的に開始・継続される時期です。また、一部では次期補助金制度に関する情報発表も行われるため、事業者側は事業計画の具体化に向けて、これらの制度の活用を検討し、活発な情報収集を行います。このため、補助金制度の申請支援、コンサルティング、制度運営事務など、関連する入札案件が増加し、「補助金」関連キーワードの検索数急上昇に繋がったと考察されます。

 

2025年6月の入札トレンド傾向分析:好機を掴むために

2025年6月の入札検索キーワード急上昇ランキングが示す全体的な傾向として、年度予算の本格的な執行が始まるこの時期特有の動きが表れています。

 

日本の会計年度が4月始まりであることから、6月は年度当初に確定した予算に基づき、各省庁や地方自治体が通年で必要となる定型的な業務や、年間計画で定められた新規事業の調達を本格化させる時期にあたります。

 

特に、梅雨期の到来や夏季の利用増加、さらには台風シーズンを見据えた予防保全や災害対策といった季節的要因が加わることで、屋外施設やインフラ、環境関連の維持管理・整備に関する案件が例年この時期に集中する傾向があります。

 

こうした「年度予算が固まり、季節的需要が高まる6月」というタイミングは、公共調達市場において多様な入札機会が創出される重要な時期と言えるでしょう。この動きをいち早く捉え、適切な情報収集と戦略的な提案を行うことが、案件獲得において極めて重要となります。

 

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調査レポート:入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年6月度)
<集計条件>

・集計期間:2025年6月1日~6月30日
・対象:集計期間に入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードのうち、上位100位以内のキーワード
・入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードを元に、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードをランキング

 

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