「最新の入札動向を発信し、入札マーケットの活性化を推進する」ことを目的に、入札に関する情報を分析・提供する入札リサーチセンターは、入札マーケットの動向に関するレポート2025年5月を公開いたします。
公示案件数 と 落札案件数 の推移
公示案件数
2025年5月の公示案件数は総計181,185件で、前年同月比95%となりました。
落札案件数
2025年5月の落札案件数の総計は142,145件で、前年同月比106%となりました。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件数は、入札案件公示がなく落札結果のみ公表されている随意契約等の案件も含めた集計結果
公示案件の入札形式別割合
【 全体 】
入札形式別の公示案件割合では、一般競争入札が全体の30.2%を占め、最も多い結果となりました。
【 入札種別ごとの入札形式割合 】
物品では「見積(オープンカウンター)」が54.8%と最も多く、前月の47.8%より更に増加しました。役務では「一般競争入札」が48.3%と最多で、「企画競争」「見積(オープンカウンター)」なども一定割合を占めています。建設・工事では「一般競争入札」が65.5%、次いで「指名競争入札」が26.4%と続き、競争入札による発注が多いことがわかります。測量・建設コンサルタントは「指名競争入札」が49.5%と最も多く、分野ごとに入札形式の傾向が大きく異なる点が特徴的です。
Topics:少額随意契約の増加傾向がさらに顕著に
先月に引き続き、「少額随意契約(見積合わせ・オープンカウンター方式)」に関する基準額引き上げ後の入札動向を調査しました。
物品契約における5月の動向をみると、一般競争入札の割合がさらに減少し、それに代わって少額随意契約の割合が大きく上昇しています。
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これらの数値は、基準額引き上げにより、従来は一般競争入札で実施されていた案件が、簡便な契約方式に移行している実態を示しています。
今回の基準額引き上げついては、下記の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
関連記事:「少額随意契約の基準額引き上げ」徹底解説|営業担当者が知るべき影響と対策
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・入札情報速報サービスNJSSに登録されている入札形式を基に算出。入札種別は、NJSSで設定されている資格カテゴリーを使用。
エリア別 公示案件数
2025年5月のエリア別公示案件数は、東北エリアのみが案件登録数の増加傾向を示し、その他のエリアではいずれも減少傾向となりました。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件履行場所が複数の都道府県に該当する場合は、1案件に複数の都道府県が付与されるため重複あり
各種データは、都道府県別・機関別の集計や年間推移データなど、様々な切り口でのレポート化が可能です。 戦略や分析に欠かせない入札関連データにご興味のある方は こちら をご覧ください。 |
業種カテゴリ別 公示案件数
※拡大してご確認いただけます
2025年5月の業種別入札案件数は、業種ごとに増減の差が見られました。
<集計条件>
・入札情報速報サービスNJSSにて独自に分類した業種カテゴリ別案件数データを集計
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・ひとつの案件に複数の業種カテゴリが付与されることがあるため案件数の総計は月の案件数総計と差異が発生
・案件に関連する複数の業種カテゴリが付与されることがあるため、業種で絞り込みを行う際には意図しない業種が含まれている場合あり
※ 業種[大カテゴリ32種]にて集計
詳細な業種[中カテゴリ85種]集計データをご覧になりたい方はお問い合わせよりご連絡ください。
落札金額の推移
2025年5月の落札金額総計は、前年比で148%となりました。
防衛装備庁による大型案件の公表が、複数登録されたことで全体の落札額増加に大きく影響したと考えられます。
【防衛装備庁の大型案件の例】
- 案件名:イージス・システム構成品等の整備 /落札価格:652億6,272万4,000円
- 案件名:護衛艦(4,800トン型) /落札価格:795億6,300万円
<集計条件>
・落札金額は、各発注機関ごとに公表された落札結果を収集した合計値(同一案件が複数機関で公表されている場合もあり)
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年5月度)
2025年5月1日~5月31日に「NJSS」内で検索されたキーワードのうち、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードを「入札検索キーワード 急上昇ランキング 」として発表いたします。
2025年5月の入札関連検索キーワード急上昇ランキングでは、「国勢」が第1位となりました。
この背景には、2025年10月1日に実施が予定されている「令和7年国勢調査」の影響が大きいと考えられます。
国勢調査は5年に一度実施される、国の最も重要な統計調査のひとつです。その準備段階においては、広報活動や業務委託など、さまざまな関連業務が発生するため、これらに関する入札案件も多数登場する傾向があります。
そのため、2025年4月以降、こうした案件の入札が本格化したと推測され、それに伴って関連キーワードの検索数も増加したと見られます。
その他の急上昇キーワードの上昇要因考察につきましては、こちらの記事をご覧ください。
<集計条件>
・集計期間:2025年5月1日~5月31日
・対象:集計期間に入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードのうち、上位100位以内のキーワード
・入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードを元に、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードをランキング
注目された入札案件 (2025年5月度)
2025年5月1日~5月31日に「入札情報速報サービスNJSS」に登録された案件の中で、注目された入札案件を紹介します。
※案件名・案件詳細画面をクリックすると、「入札情報速報サービスNJSS」にて入札案件の詳細が確認できます。
【案件名】 ETC車載器購入助成キャンペーン事務局運営業務 |
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【発注機関】
愛知県 / 中日本高速道路株式会社(NEXCO) |
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【入札日】 2025年05月13日 |
【案件名】 埼玉県北部地域の魅力を伝える PR 動画制作業務委託 |
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【発注機関】
埼玉県 / 埼玉県庁 |
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【入札日】 2025年06月10日 |
<集計条件>
・集計期間:2025年5月1日~5月31日
・対象:入札情報速報サービス「NJSS」において、上記期間中に案件または結果が登録されたもの
・判定基準:入札案件ページごとの閲覧数をもとに判断
入札関連データについて
入札リサーチセンターでは、入札形式・都道府県・業種・発注機関など、様々な入札に関するデータの抽出・調査・分析ができます。入札に関する情報の調査についてのお問い合わせは、こちら からお願いします。
【データご利用時の注意事項】 入札リサーチセンターにて公表している調査データ・コンテンツ情報を引用される際は、出典元の明記をお願いします。 (例)調査名/入札リサーチセンター調べ (例)コンテンツ名/引用元:入札リサーチセンター ※サイトURL (https://research.njss.info/)も追記ください。 各調査物の著作権は株式会社うるるにあります。許可なく無断での複製・転載・改訂を禁じます。 入札リサーチセンター公表の調査データ・コンテンツをご利用頂いた際には、その掲載(媒体・画面キャプチャ等)についてご連絡をお願いします。 入札に関する調査・協業についてのお問い合わせ、調査物引用のご報告は お問い合わせからお願いします。 |
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