「最新の入札動向を発信し、入札マーケットの活性化を推進する」ことを目的に、入札に関する情報を分析・提供する入札リサーチセンターは、入札マーケットの動向に関するレポート2025年7月を公開いたします。
公示案件数 と 落札案件数 の推移
公示案件数
2025年7月の公示案件数は総計184,634件で、前年同月比93%となりました。
落札案件数
2025年7月の落札案件数の総計は158,681件で、前年同月比95%となりました。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件数は、入札案件公示がなく落札結果のみ公表されている随意契約等の案件も含めた集計結果
公示案件の入札形式別割合
【 全体 】
入札形式別の公示案件割合では、一般競争入札が全体の32%を占めており最も多い結果となりました。次いで随意契約(19.4%)、指名競争入札(16.4%)、企画競争(16.1%)が続いており、これら4つの入札形式で全体の8割以上を占めています。
【 入札種別ごとの入札形式割合 】
物品では、「見積(オープンカウンター)」が52.5%を占め、最も高い割合となりました。役務では、「一般競争入札」が全体の53.1%を占めており、最も多くなっています。建設・工事においても、「一般競争入札」が66.3%と最多で、次いで「指名競争入札」が25.6%となっており、競争入札による発注が多いことがわかります。一方、測量・建設コンサルタント分野では、「指名競争入札」が50.8%と過半数を占めており、特定の専門性や実績を有する企業が求められていることがうかがえます。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・入札情報速報サービスNJSSに登録されている入札形式を基に算出。入札種別は、NJSSで設定されている資格カテゴリーを使用。
エリア別 公示案件数
全体的には ほぼ横ばいで推移しており、大きな増加は見られないものの、四国や九州ではやや増加傾向が見られる一方で、東海・北陸と国外が減少しています。
<集計条件>
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・案件履行場所が複数の都道府県に該当する場合は、1案件に複数の都道府県が付与されるため重複あり
各種データは、都道府県別・機関別の集計や年間推移データなど、様々な切り口でのレポート化が可能です。 戦略や分析に欠かせない入札関連データにご興味のある方は こちら をご覧ください。 |
業種カテゴリ別 公示案件数
2025年7月の業種別入札案件数は、全体的に減少傾向が見られました。
特に「建設・設備工事」は前年を大きく下回る結果となりました。
<集計条件>
・入札情報速報サービスNJSSにて独自に分類した業種カテゴリ別案件数データを集計
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
・ひとつの案件に複数の業種カテゴリが付与されることがあるため案件数の総計は月の案件数総計と差異が発生
・案件に関連する複数の業種カテゴリが付与されることがあるため、業種で絞り込みを行う際には意図しない業種が含まれている場合あり
※ 業種[大カテゴリ32種]にて集計
落札金額の推移
2025年7月の落札金額総計は、前年比で75%となりました。
減少の要因としては、前年度同月に防衛装備庁による大型案件が登録されていたことが挙げられます。その影響で前年が大きく上振れしており、今年度は比較的大型案件が少なかったことから、結果として減少傾向となりました。
<集計条件>
・落札金額は、各発注機関ごとに公表された落札結果を収集した合計値(同一案件が複数機関で公表されている場合もあり)
・各発注機関WEBサイトで公表され入札情報速報サービスNJSSに登録された月をベースに算出
入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年7月度)
2025年7月1日~7月31日に「NJSS」内で検索されたキーワードのうち、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードを「入札検索キーワード 急上昇ランキング 」として発表いたします。
2025年7月の入札関連検索キーワード急上昇ランキングでは、「タブレット」が第1位となりました。
背景としては、GIGAスクール構想で導入された1人1台端末の更新時期(導入から4〜5年)を迎え、2025〜2026年度にかけて各自治体で調達準備が本格化していることが挙げられます。
◆GIGA第2期の端末は2025年度に72%、2026年度に22%が調達される
各市区町村が想定する調達予定時期ごとに台数を集計すると、2025年度に更新が集中することが分かった。調達台数と時期の双方に回答を得た1227市区町村の661万台を対象に分析すると、2025年度は調達台数の72%(661万台のうち475万台)、2026年度は22%(同144万台)となることが分かった。政府は調達の平準化をアナウンスしているが、現行の端末が古くなってきていることなど、自治体ごとの事情があり、調達時期の後ろ倒しは難しいものとみられる。
また、デジタル庁が進める高齢者向けデジタル支援(デジタル推進委員・デジタル活用支援推進事業)でもタブレット活用が広がっており、福祉分野でも需要が高まっている点も影響しています。
さらに、夏休み期間中に学校現場で端末設定・整備が行われることが多く、夏休み明けの活用や次年度に向けた仕様検討が進む時期であることから、関連入札案件の増加に伴って検索数が上昇したと考えられます。
「タブレット」が案件名に含まれる入札案件例(2025年7月公示)
- DXハイスクール事業用パーソナルコンピュータ及びタブレット(北海道 / 北海道庁 教育委員会)
- 柳川市GIGAスクール構想に基づく第2期タブレット端末整備事業(福岡県 / 柳川市役所)
- タブレット型端末等 1式(広島県 / 広島県庁)
その他順位の急上昇キーワードの上昇要因考察につきましては、こちらの記事で詳しく解説しています。
<集計条件>
・集計期間:2025年7月1日~7月31日
・対象:集計期間に入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードのうち、上位100位以内のキーワード
・入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードを元に、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードをランキング
注目された入札案件 (2025年7月度)
2025年7月に「入札情報速報サービスNJSS」に登録された案件の中で、注目された入札案件を紹介します。
※案件名・案件詳細画面をクリックすると、「入札情報速報サービスNJSS」にて入札案件の詳細が確認できます。
【案件名】 第21回中高年者縦断調査 調査票等関係書類の封入・発送、調査票受付・審査、データ入力、電子化等一式 |
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【発注機関】
東京都 / 厚生労働省(MHLW) |
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【入札日】 2025年08月19日 |
【案件名】 令和7年度農林水産研究に関する小学生向け動画制作及びブースト広告業務令和7年度開発協力広報動画の制作及びプロモーション事業 |
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【発注機関】
東京都 / 農林水産省(MAFF) |
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【入札日】 2025年08月07日 |
<集計条件>
・集計期間:2025年7月1日~7月31日
・対象:入札情報速報サービス「NJSS」において、上記期間中に案件または結果が登録されたもの
・判定基準:入札案件ページごとの閲覧数をもとに判断
入札関連データについて
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