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入札トレンドを知る!入札検索キーワード急上昇ランキングTOP30(2025年8月度)

入札トレンドを知る!入札検索キーワード急上昇ランキングTOP30(2025年8月度)

公共調達の分野では、社会情勢や政策、季節要因などにより、注目されるテーマや案件が日々変化しています。こうした動きをいち早く捉えることは、営業戦略や提案内容の精度を高めるうえで重要です。

 

本記事では、2025年8月に検索数が急上昇した入札関連キーワードTOP30を紹介し、特に上位10位については、検索上昇の要因や市場動向とあわせて解説します。入札トレンドの把握を通じて、戦略的な提案や案件対応の精度向上にお役立ていただければ幸いです。

入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年8月度)

🥇1位:下水(498UP)

2025年8月の入札関連検索キーワード急上昇ランキングでは、「下水」が第1位となりました。

背景には、昨年、埼玉県八潮市で発生した下水道が原因の道路陥没事故があります。この事故をきっかけに、老朽化や維持管理に携わる人材の不足といった課題が顕在化しました。これを受けて、2025年6月に改定された「PPP/PFI推進アクションプラン(令和7年改定版)」では、下水道事業が重点分野として位置づけられています。あわせて、「地方公共団体への支援強化」として、PFI推進機構による伴走支援、事業検討から実施までの期間短縮、分野をまたぐ広域型PPPの推進といった取り組みも盛り込まれました。

こうした流れを受けて、企業側の情報収集や案件探索の動きが活発化し、「下水」が注目のキーワードとなったと考えられます。

「下水」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

 

「下水」を案件名に含む入札は、2024年5月以降に大きく増加し、特に2025年6月には4180件とピークを記録しました。これは、インフラ老朽化対策や災害対策を目的とした整備・更新需要の高まりが背景にあると考えられます。2023年度は2,000件未満の月も多く、2024年度以降の増加傾向との対比から、政策的・予算的な重点化が進んだことがうかがえます。

 

「下水」に関する入札案件例

 

 

🥈2位:制作(90UP)

2025年8月に「制作」というキーワードが急上昇した背景には、自治体や公共機関による広報活動や観光振興、地域イベントの実施などに伴い、映像・印刷物・デジタルコンテンツの制作需要が高まったことが考えられます。

 

特に、観光PR映像や地域ブランド発信のためのパンフレット、SNSを活用したデジタル広告コンテンツなど、多様な制作業務が入札案件として公表されており、事業者の関心が高まったとみられます。

「制作」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

「制作」を案件名に含む入札は、2024年・2025年ともに5月〜6月にかけて件数がピークに達しており、2024年6月には290件、2025年6月には256件を記録しました。いずれも新年度予算の執行開始時期と重なっており、発注機関が制作業務を早期に進めようとする動きが反映されていると考えられます。

 

「制作」に関する入札案件例

 

 

 

🥉3位:舗装(88UP)

2025年8月に「舗装」が急上昇した背景には、全国的な豪雨や台風被害による道路損壊が挙げられます。特に2025年8月の局所的な集中豪雨や台風第12号により、各地で道路の冠水・舗装破損が発生しました。国土交通省は被害状況を公表し、道路規制や災害復旧工事の必要性を示しています。これを受けて自治体や国直轄の復旧入札が相次ぎ、建設業界関係者が「舗装」に関する案件情報を検索したことが、検索数増加の要因と考えられます。

 

舗装」が案件名に含まれている入札案件推移

集計対象:地方公共団体

 

「舗装」を案件名に含む入札は、2024年5月から7月にかけて大幅に増加し、6月には4,118件とピークを記録しました。その後は減少傾向に転じるものの、2025年も同様に5月〜6月で急増し、6月に3,969件と高水準を示しています。新年度予算の執行開始に伴う道路改修・維持管理事業の集中発注が主な要因と考えられます。

 

「舗装」に関する入札案件例

 

 

 

4位〜10位の急上昇キーワードを一挙解説

4位:管理

「管理」の検索需要が高まった背景には、公的機関で個人情報を扱う情報システムの安全管理体制強化が急務となっていることが挙げられます。総務省が推進する「自治体DX推進計画」に基づき、クラウド環境の導入や運用管理のニーズが増加し、地方自治体を中心に外部委託案件が相次いでいます。こうした制度改正とDX推進の動きが重なったことで、「管理」に関連する入札検索が急増したと考えられます。

 

5位:駐車場

「駐車場」が注目された背景には、観光需要の拡大と夏季イベントに伴う臨時駐車場整備の増加があります。お盆時期にはNEXCO各社が渋滞予測を公表し、サービスエリアやパーキングエリアで駐車マス拡張工事を実施しました。NEXCO中日本は新東名静岡SAで大型車駐車マスを約1.3倍に増設し、混雑緩和策を打ち出しています。こうした高速道路の対策に加え、自治体や公共施設でも観光客増に対応する駐車場管理・整備入札が拡大しており、これらの動きが「駐車場」に関する検索需要を押し上げたと考えられます。

 

6位:端末

「端末」が注目された背景には、GIGAスクール構想で導入された1人1台端末が更新時期(導入から4〜5年)を迎え、2025〜2026年度にかけて各自治体で調達準備が本格化していることが挙げられます。さらに、デジタル庁が推進する高齢者向けデジタル支援(デジタル推進委員・デジタル活用支援推進事業)においてもタブレット活用が進んでおり、福祉分野での需要拡大も影響していると考えられます。

7位:アプリ

「アプリ」が注目された背景には、行政のデジタル化や自治体DXの推進により、住民向けサービスをスマートフォンで提供する動きが広がっていることが挙げられます。子育て支援、防災情報、行政手続き案内など、生活に直結する分野で利便性の高いアプリ整備の必要性が高まり、開発や運用に関する入札案件が増加しています。さらに、マイナンバーカードやデジタル本人確認の活用範囲が広がる中、民間事業者も含めて本人確認アプリやサービス連携型アプリの需要が拡大しており、これらの動向が「アプリ」に関連する検索需要を押し上げたと考えられます。

 

7位:エアコン

公共施設や学校の熱中症対策強化が、「エアコン」に関する入札検索需要を押し上げていると考えられます。文部科学省と環境省は「学校施設の体育館等への空調設備新設及び関連工事を加速する交付金事業」を示しており、屋内運動場・体育館の空調整備が令和6年度から対象となっています。この制度に伴い、老朽化した冷房設備の更新や新設、保守点検などの入札案件が公立学校・公共施設で増えている可能性が高いです。また、猛暑が続く夏季は一般的に冷房設備の需要が大きくなる季節性があり、これらの制度的・季節的要因が重なって、「エアコン」に関する検索が急増したと推測されます。

 

9位:道路

「道路」が注目された背景には、国土交通省が2025年8月25日に公表した「令和6年度道路メンテナンス年報」の影響が挙げられます。この年報では、全国の橋梁・トンネル・道路附属物の点検結果を踏まえ、老朽化施設の維持管理や補修の必要性が改めて示されました。こうした情報公開に加え、豪雨や台風による被害復旧工事の需要も重なり、道路の新設・補修・維持管理に関する入札案件への関心が高まりました。その結果、「道路」に関する検索需要が増加したと推測されます。

 

10位:外国人

「外国人」が注目された背景には、厚生労働省が実施する「外国人労働者就労環境整備助成金」による就労支援に加え、観光需要の増加が影響していると考えられます。労働分野では多言語対応や就業環境整備が助成対象とされ、受け入れ環境改善を後押ししています。一方、観光庁の施策を背景に訪日外国人旅行者が増加し、自治体では観光案内や公共施設の多言語化、交通・地域インフラの整備に関する入札が拡大しています。こうした労働と観光の両面での施策が重なり、「外国人」に関連する検索需要が高まったと推測されます。

 

10位:封入

「封入」が注目された背景には、多くの自治体で税務・福祉・給付金などの通知書類に関する封入・発送業務が日常的に行われており、特に制度変更や年度末に向けて、これらの業務が増加する傾向があることが挙げられます。加えて、封入・封緘作業の外部委託化や自動化による業務効率化の動きも報じられており、こうした制度的・季節的要因が重なった結果、「封入」に関する検索需要が高まったと推測されます。

 

2025年8月の入札傾向まとめ

全体動向
2025年8月の入札検索キーワード急上昇は、夏季の災害対応や公共施設の維持管理ニーズが強く反映されています。特に台風や豪雨によるインフラ被害の復旧工事に関連する「下水」「舗装」「道路」などが上位に入り、災害復旧関連の入札が急増したことが検索動向に直結していると考えられます。また、年度後半の予算執行が始まる時期にあたり、施設更新やシステム管理といった幅広い分野で案件が動いている点も特徴的です。

 

教育・ICT関連の動向
「端末」「アプリ」「ライセンス」「タブレット」といったICT関連キーワードが目立ちます。これは総務省の「GIGAスクール構想」第2期に基づく端末更新や、アプリ・ソフトウェア導入の入札案件が増加したことが背景とみられます。夏休み期間を活用した端末更新やシステム導入が進められ、新学期からの円滑な運用を目指す教育現場の需要が検索動向に表れています。

 

その他の動向
「エアコン」「トイレ」「受付」「運営」など、公共施設や学校における住環境改善や利用者サービスに関するワードが上昇しました。特に記録的猛暑を受けた空調設備更新需要が強く表れています。また、「クラウド」「セキュリティ」など、自治体DXや情報管理体制の強化に関連するワードもランクインしており、分野横断的な需要拡大が確認できます。

 

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調査レポート:入札検索キーワード 急上昇ランキング (2025年8月度)
<集計条件>

・集計期間:2025年8月1日~8月31日
・対象:集計期間に入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードのうち、上位100位以内のキーワード
・入札情報速報サービスNJSSユーザーが検索したキーワードを元に、前月と比較して上昇幅の大きいキーワードをランキング

 

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