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プロポーザル成功の秘訣10選〈第5回〉審査委員による評価プロセスを踏まえる

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ご好評をいただいております自治体ビジネスのプロが教えるシリーズ、

今回は「プロポーザル成功の秘訣10選」と題して、全10回に分けて解説します。

プロポーザル成功の秘訣10選【全10回】

第1回:良い提案ではなく点数が高い提案を目指す
第2回:関連文書をよく読み込む
第3回:事前の質問をしっかり活用する
第4回:民間ビジネスでの企画提案書との違いを押さえる
第5回:審査委員による評価プロセスを踏まえる【本記事】
第6回:評価項目全てに的確に回答する(近日公開)
第7回:業務実施体制を手厚く書く(近日公開)
第8回:プレゼンテーションで評価される事項を理解して準備する(近日公開)
第9回:ヒアリング(質疑応答)は戦略的に準備する(近日公開)
第10回:「負け」を活用する(近日公開)

本記事を参考にしながら、官公庁から高く評価されるプロポーザルのポイントを押さえ、しっかりと自治体ビジネスに参入していきましょう。

ヒアリングに効果はあるのか

自治体プロポーザルには必ず勝ち負けがあります。

案件の受注を目指して取り組んでも、なかなか結果が出ずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

そんな時に多くの会社が起こす行動が、不採用の理由を確認するための自治体職員へのヒアリング

アポイントメントをとって自治体に訪問し、なぜ選ばれなかったのか、どこが課題になったのか担当職員に話を伺います。

 

この対応は、不採用ではあったもののお目当ての部署担当職員と今後のコミュニケーションを取って周辺ビジネスなどの情報共有を進めるという面からは適切な対応と言えるでしょう。

 

一方、不採用原因を把握する手段として、果たしてヒアリングは効果があるのでしょうか。

 

評価プロセスに着目しよう

ここで着目したいのが、自治体プロポーザルの評価プロセス。

民間ビジネスでの企画提案書が採用されるプロセスと比較した時に最も異なるのが「審査委員会」あるいは「評価委員会」の設置(呼び名はまちまちですが、ここでは「評価委員会」の表現に統一します)。

 

自治体ごとのプロポーザル実施のルールに則り評価委員会が招集され、公平かつ客観的な視点で企業の競い合いを評価します。多くの場合評価委員に選ばれるのが管理職レベルの自治体職員。

 

例えば京都府が規定している「京都府公募型プロポーザル方式事務マニュアル」によれば、評価委員会に該当する選定会議の構成員は次の職員で構成するとされています。

本庁の場合 広域振興局の場合 公所の場合 学校の場合
部長 副局長

(又は振興局長)

公所長 学校長
副部長 企画総務部長 次長 事務長
〇〇課長(主管課) 総務室長 総務課長
事業を所管する課長

一緒に仕事をする部署の課長が一番下、「事業を所管する課長」。

それ以外全員が部課長クラスなのがお分かりいただけると思います。

 

通信簿のように、評価委員が企画提案書やプレゼンテーションに点数をつけて、定量的に評価する点も民間ビジネスと異なり特徴的です。税を財源としている案件の発注先を選ぶのがプロポーザルですから、公平性・公正性・透明性が担保されたプロセスと手法が必須となっているわけです。

 

上記のようなプロセスと手法で、企業の点数をつけるのは他でもない「評価委員」です。

これが意味するところはなんでしょうか。それは、不採用原因をヒアリングする職員が点数をつけているわけではない、ということです。

 

ヒアリング先の自治体職員が普段あなたと電話やメール、対面でコミュニケーションを取っていたとしても、職員は事務局を務めるのみで評価そのものには一切関与できません。

 

たとえその職員が選定委員会に同席していたとしても、採用・不採用に関する審査員の見解を職員が外部に個人的に伝える権限を持っていないのです。

 

こうした決まりがある中で、自治体職員に不採用原因を聞きに行ったとしても、話が聞ける範囲は「その職員の業務の範囲内での個人的な印象や所感」です。評価委員のメンバーを特定できない範囲で「全体の印象が良かったが、〇〇については明確でなかったという雰囲気があった」などのコメントはもらえることもありますが、「企画提案書のこの部分が評価委員の誰それの評価が〇〇だったため、不選定になった」などのような、今後の具体的な対応策に結びつくような情報が得られることは、まずないと考えましょう。

 

事前準備のポイント

このように、自治体プロポーザルの評価プロセスでは客観性・公平性・公正性が重要視されます。

評価委員に対しても同様で、たとえばプロポーザルが公告されてから評価委員に接触し、評価に何らかの便宜を図るよう依頼することなどは固く禁じられています。応じた評価委員ももちろん評価メンバーから外されます。

 

自治体プロポーザルの経験が浅い会社にとってはこうした独特の評価プロセスには戸惑うもの。一方で、「評価委員が評価基準に基づき点数をつけて優劣が決まる」という特性を念頭に置いて事前に準備できることもあります。

代表的なものを2つご紹介しましょう。

 

① 評価委員会のメンバーを事前に質問で把握しておく

評価委員会のメンバーは、多くの場合自治体職員、それも管理職。

 

誰がメンバーとなるかを把握しておくことで、何を訴求すれば受け入れられるか考える参考になります。その自治体にプロポーザルマニュアルがある場合はメンバー編成が記載されていることがあるのであらかじめ目を通しておきましょう。

 

② 評価委員が理解しやすいように企画提案書の書き方を工夫する

評価委員の手元には評価表のテンプレートが会社の数ごとに用意され、一社ごとに評価委員が記入しながら使います。

 

企画提案書の構成をこの評価表の項目の順番、すなわち評価基準の項目の順番に構成するのも一つの方法。

評価委員は一番上から点数をつけていくので、どこの部分を評価すればいいのかがわかりやすく点数の底上げにつながります。

 

評価委員は生身の人間

どんなに優れた企画提案書であっても、評価委員のメンバーが他社と比較し高い点数をつけてくれないと選ばれません。

 

そして評価委員はロボットなどではなく生身の人間です。心理的な動きや評価のプロセスや手法、評価委員の特性を理解し、常に「点数を高くつけてもらいやすくするには?」という視点を持ってプロポーザルの準備に取り組むと良いでしょう。

 

プロポーザル成功の秘訣10選【全10回】

第1回:良い提案ではなく点数が高い提案を目指す
第2回:関連文書をよく読み込む
第3回:事前の質問をしっかり活用する
第4回:民間ビジネスでの企画提案書との違いを押さえる
第5回:審査委員による評価プロセスを踏まえる【本記事】
第6回:評価項目全てに的確に回答する(近日公開)
第7回:業務実施体制を手厚く書く(近日公開)
第8回:プレゼンテーションで評価される事項を理解して準備する(近日公開)
第9回:ヒアリング(質疑応答)は戦略的に準備する(近日公開)
第10回:「負け」を活用する(近日公開)

 

この記事の執筆者 


株式会社LGブレイクスルー 代表取締役 古田 智子 氏

慶應義塾大学文学部卒業後、総合コンサルティング会社入社。中央省庁、地方自治体の幅広い領域の官公庁業務の営業活動から受注後のプロジェクトマネジメントに携わる。 2013年2月、 (株)LGブレイクスルー創業。人脈や力学に頼らず、国や自治体からの案件の受注率を高める我が国唯一のメソッドを持ち、民間企業へのコンサルティング・研修事業を展開。著書に『地方自治体に営業に行こう!!』『民間企業が自治体から仕事を受注する方法』がある。

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