「官公庁入札が成長していると言っても、大企業による独占市場なのでは?」
官公庁入札にこのようなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
一方で国は、大企業による市場独占を避けるため、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」を設け、中小企業の受注機会増を促しています。
このように、企業規模に関わらずチャンスのある官公庁入札ですが、実際に入札に参加するためには、事前に入札参加資格を取得しておく必要があります。
本記事では、全国でも最多の案件数を誇る東京都の入札参加資格について、その取得方法を解説していきます。
官公庁入札に必要な入札参加資格
官公庁入札に参加するためには、原則として各発注機関の求める入札参加資格を取得する必要があります。
発注機関には、大きく『国の機関(省庁と下部組織・出先機関など)』と『地方公共団体(自治体)』があります。それぞれの機関や業務カテゴリーによって、入札参加資格は異なります。
『東京都』と『東京都内の市区町村等』、異なる2種類の入札参加資格
前述した通り、原則として地方自治体では、都道府県・市区町村ごとに入札参加資格を取得する必要があります。
一方で地方自治体の中には、システムを連携することで、同じ資格で複数の自治体の入札案件に参加できるような仕組みを採用しているところもあります。
東京都内について見ると、東京都を除く全ての市区町村は「東京電子自治体共同運営_電子調達システム(=e-Tokyo)」を採用しており、このシステムを利用することで、1回の申請で都内全ての市区町村等で使用可能な入札参加資格を取得することができます。
なお、東京都は「東京都電子調達システム」という独自のシステムを採用していることから、市区町村等とは別の申請をすることが求められます。
このことを踏まえると、「東京電子自治体共同運営_電子調達システム(=e-Tokyo)」と「東京都電子調達システム」それぞれ入札参加資格を申請することで、東京都内全ての案件に入札できるようになります。
入札参加資格の取得方法
ここからは、「東京電子自治体共同運営_電子調達システム(=e-Tokyo)」と「東京都電子調達システム」それぞれのシステムを利用して入札参加資格を取得する方法について、簡単に解説していきます。
『東京都』の場合
「東京都電子調達システム」の申請フォームにアクセスし、会社情報や業務状態等の申請データを作成・送信します。その上で、必要書類をプリントアウトし、内容を記載した上で送付する必要があります。
審査結果は、「物品買い入れ等競争入札参加資格」の場合、審査完了のメール受信後に、システム上で確認することができます。「建設工事等入札参加資格」の場合、システム内の「申請状況照会」画面で承認・非承認の確認が可能です。
承認された場合、「受付票」を印刷の上、指定箇所に実印を押印し、印鑑証明書を貼り付ければ手続きは完了です。
『東京都内の市区町村等』の場合
「東京電子自治体共同運営_電子調達システム(=e-Tokyo)」の申請フォームにアクセスし、会社情報や業務状態等の申請データを作成・送信します。
11月に実施された定期受付から、必要書類は郵送ではなくアップロード形式に変更になりました。
審査結果は、メールにて通知されます。
また、書類の送付後1週間を目安に、システムから確認することも可能です。
その後の手続きは東京都と同様で、「受付票」を印刷の上、指定箇所に実印を押印し、印鑑証明書を貼り付ければ完了です。
電子入札に参加する際の注意点
ここまで、東京都の案件に入札するために必要な資格と、その取得方法について解説してきました。
東京都は、月によって8,000件を超える案件数が公示されることもある、魅力的な市場です。その中には、遠方であっても契約できる案件が含まれているため、首都圏に本拠を置く企業はもちろん、それ以外の企業についても、いつでも東京都の入札案件に対応できる体制を整えておくことをおすすめします。
ただし、公示される案件数が多いということは、その中から自社に合った案件を探すためには、より多くの時間が必要になります。そこで重要なのが、案件を探す業務を効率化することです。
例えば、全国の発注機関が公示する案件が1つのWebサイト上にまとまった、入札情報速報サービスを活用することで、Webサイトに公示された案件を個別に確認する必要がなくなり、案件探しを効率化することができます。
入札業務の効率化に興味のある方は、株式会社うるるが運営する、官公庁入札案件から自社に合った案件を探せる国内最大級の入札情報速報サービス「NJSS」をぜひ一度お試しください。
また、今回紹介した東京都の入札参加資格の取得方法について、わかりやすくまとめたダウンロード資料もご用意しています。
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